第II部 国土交通行政の動向 

4 民間都市開発の推進

(1)都市再生緊急整備地域で進む民間都市開発

 「都市再生特別措置法」に基づき、都市再生の拠点として緊急に整備を図るべき地域である「都市再生緊急整備地域」としては、平成17年12月末現在で東京・大阪を始め政令指定市や県庁所在市等、計64地域が指定されている。
 現在、各地域において様々な民間都市開発事業が着々と進行しており、以下にいくつかの事例について紹介する。

1)環状二号線新橋周辺・赤坂・六本木地域
 本地域は、業務・商業、住宅等が混在した都心周辺の複合市街地を形成している。
 現在、同地域内では、六本木防衛庁跡地の東京ミッドタウンプロジェクト(国土交通大臣認定)等に見られるようにオフィスや住宅の計画的複合開発により、質の高い個性的な街区が織りなす市街地に、業務・商業・文化・娯楽・居住等の多様な機能を効果的に複合させている。また、防犯対策とまちづくりの取組みの連携協働により魅力ある繁華街の再生を促進している。

 
東京ミッドタウンプロジェクト



2)難波・湊町地区
 本地区は、大阪の都心南北軸上に位置し、関西国際空港を通じて世界と直結する玄関口に当たるとともに、商業・業務・文化・アミューズメント・居住等の機能を共存・融合させた、新しいまちを形成する重要拠点としての役割が期待されている。
 現在、同地区内のなんばパークス2期事業(国土交通大臣認定)では、平成15年10月に竣工した1期事業に続き大型商業施設を拡充し、シネマコンプレックスを併設すること等により、多機能複合型施設の形成と屋上公園を始めとした多くのオープンスペースの整備が進められており、人・情報・文化が交流し、発信するまちづくりが進められている。

 
なんばパークス2期事業



3)福岡天神・渡辺通地域
 本地域は、福岡のメインストリートである渡辺通り沿線を中心に国際的な中枢都市機能の集積を図り、多様な魅力を備えたにぎわいと回遊性のある都市空間の形成を目標としている。
 同地域内の新天神地下街建設事業(国土交通大臣認定)では、天神地下街の延伸に当たり、福岡市の基幹鉄道である地下鉄1号線、地下鉄3号線、西鉄大牟田線等を相互に連結し、結節点としての機能を強化するとともに、天神地区に集積する様々な商業・業務施設を接続し、その融合を図ることにより、同地域の商業・業務機能の充実が図られている。

 
新天神地下街建設事業



 

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