2 ヒューマンエラー関連事故の続発  交通分野全体として事故件数等に増加の傾向は見られない中、最近続発している公共交通関連の事故・トラブルについては、ヒューマンエラーとの関連が指摘されており、実際に輸送モード別に事故原因の内訳を見ると、人為的要因によるものが一定の割合を占めている。 図表I-2-4-6 輸送モード別事故原因  このような状況を踏まえ、国土交通省では、平成17年6月に「公共交通に係るヒューマンエラー事故防止対策検討委員会」を設置し、公共交通に係る総合的かつ効果的なヒューマンエラー事故防止対策を検討しているところである。同年8月にまとめられた同委員会の中間とりまとめでは、専門家の意見や企業の取組事例のヒアリング等を踏まえて、陸・海・空の各輸送モードに横断的なヒューマンエラーの事故防止に係る問題点の整理と課題の抽出が行われた。  ヒューマンエラーが関連する事故やトラブルの防止のためには、Man(人間)、Machine(機械)、Media(環境)、Management(管理)の4M、あるいはこれにMission(使命)を加えた5Mの複合原因ととらえてシステム全体を検討し、機械側の改善、人間側の改善、人間と機械のインターフェイス(人と機械が情報を相互にやりとりする「しかけ」)の改善、システム管理や作業管理の改善、人間と機械の役割分担の改善等を検討する必要がある。