(3)都市鉄道ネットワークの充実  都市鉄道ネットワークは、これまで新線建設・複々線化といった輸送力増強や混雑緩和を主眼に進められてきた結果、相当程度拡充されてきた。大都市圏における鉄道の通勤・通学時の混雑は、個別路線ごとに見ると二極分化が進んでいるが、全体としては低下傾向にある。一方、他の鉄道事業者の路線との接続の不備、混雑時間帯における速度の低下、駅とその周辺との一体的な整備の欠如といった「質」の面における課題がなお見られるとともに、近年の輸送需要の頭打ちにより投資が抑制される傾向にあり、さらに、市街地の熟成により関係者の利害調整が困難となっている。このような状況において、既存ストックを有効活用しつつ速達性の向上及び交通結節機能の高度化を図るため、平成17年5月に「都市鉄道等利便増進法」が成立した。今後、この法律を活用して都市鉄道利便増進事業を円滑に実施し利用者利便を増進するとともに、乗継円滑化事業により鉄道路線間や鉄道とバス間の乗継負担の軽減等を進めるなど、都市鉄道ネットワークを一層充実させていくこととしている。 図表II-4-6-2 三大都市圏の最混雑区間における平均混雑率・輸送力・輸送人員の推移 図表II-4-6-3 整備中の主な都市鉄道新線 図表II-4-6-4 都市鉄道利便増進事業の概要