コラム・事例 コンパクトシティの形成〜青森市の取組み〜  世界的に有数の豪雪地帯である青森市は、拡散型のまちづくりでは除雪等の都市管理に要する行政コストがかさむなどの理由から、「コンパクトシティの形成」を基本理念とし、「無秩序な市街地の拡大抑制」と「まちなかの再生」という2つの視点に立って、持続可能なまちづくりを進めています。  これまでは人口の増加に対応するために、郊外部に多くの住宅地や商業地の開発が進められ、市街地が拡大してきましたが、その結果、市街地の中心部では人口が減少し、歩行者通行量についても商業機能の衰退を裏付けるように総じて減少し、中心市街地の空洞化が深刻な問題となりました。  そのため、都市を「インナー(注1)」、「ミッド(注2)」、「アウター(注3)」の3つに区分し、それぞれの地区の特性に応じた土地利用方針を定め、郊外開発の抑制を図り、機能的で効率的なまちづくりを推進するとともに、市民図書館等の公共施設と物販等の商業施設が一体となった複合商業ビル「アウガ」や、イベントや実験店舗等に利用することができる「パサージュ広場」といった交流・にぎわいの拠点を「インナー」に整備し、まちなかの魅力づくりに取り組んでいます。  平成19年2月には、「中心市街地の歩行者通行量」、「中心市街地の年間観光施設入込客数」、「中心市街地夜間人口」、「空き地・空き店舗率」等の指標を盛り込んだ中心市街地活性化基本計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けており、今後、中心市街地の活性化に向けた取組みに対して、より一層力を入れていくことになります。  国土交通省では、今後、人口減少・超高齢社会を迎える中で、高齢者も含めた多くの人にとって暮らしやすいまちとなるよう、様々な都市機能がコンパクトに集積した、歩いて暮らせるまちづくりを支援していくこととしています。 (注1)都市整備を重点的に行い、市街地の再構築等を進めるエリア (注2)ゆとりのある居住環境の保全・誘導を図り、緑豊かな空間づくりを目指すエリア (注3)都市化を抑制し、自然環境、営農環境の保全に努め、開発は原則として認めないエリア