(1)良質な住宅ストックの形成と将来世代への承継 1)住宅リフォーム市場の環境整備  既存ストックが有効活用されるためには、適切な維持管理、耐震性の向上、省エネ化、バリアフリー化に向けたリフォームが重要である。このため、安心してリフォームができる市場環境を整備するため、増改築工事における瑕疵(かし)保証制度の普及、スケルトン・インフィル(SI)住宅(注)等のリフォームの容易な長期耐用型住宅の普及、リフォームに係る様々な情報の提供等を行うリフォネットの普及、耐震化に係る総合的な助成等の施策を推進している。 図表II-4-4-1 住宅リフォーム市場規模の推移(推計)  なお、訪問販売等による住宅リフォーム工事契約に伴う被害が発生し、社会問題になっている状況を踏まえ、消費者が安心してリフォームや耐震改修を実施できるよう、全国の都道府県、政令指定市ごとに最低1箇所以上のリフォーム相談窓口を設置しており、平成21年までにはすべての市町村に相談窓口が設置されるよう取組みを進めている。また、「建設業法」に基づく事業者への指導・監督の徹底、住宅リフォームに関する情報提供の強化等にも取り組んでいる。 2)マンション管理の適正化と建替えの円滑化  平成17年にはマンションストック戸数は約485万戸に達し、マンションは特に都市部において、国民の主要な居住形態となっている。 図表II-4-4-2 マンションストックの推移  マンションの管理状況を把握することで適正な管理を一層推進するため、管理組合の運営状況、修繕の履歴情報等を登録し、閲覧できる「マンションみらいネット」の運用を平成18年7月に開始したほか、マンション管理組合の運営や経理等についての標準的な対応を具体的に示す「マンション管理標準指針」を17年12月に策定した。  また、老朽化マンションの建替えを円滑に行うため、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」等に基づき、建替え主体の法人化、権利変換手法の導入、建替え決議の要件の明確化、団地型マンション等の建替えに関する規定の整備等の措置を講じるとともに、補助、融資、税制措置等の活用の促進、管理組合等に対する各種マニュアルの作成等を行っている。平成18年10月末現在、同法を活用したマンション建替事業は全国で24件が実施されている。 (注)耐久性の高い躯体(くたい)(スケルトン)と可変性を有する内装・設備(インフィル)から構成される住宅