(2)都市型水害対策 1)流域一体となった総合的な治水対策の推進  都市部の河川においては、これまで総合的な治水対策として河川改修、流域対策及び被害軽減対策を関係機関と連携しながら一体的に行ってきた。  「特定都市河川浸水被害対策法」では、河川管理者、下水道管理者及び地方公共団体が共同して流域水害対策を講じる枠組みが構築されており、平成18年12月末現在、鶴見川(神奈川県)、新川(愛知県)、寝屋川(大阪府)の3河川を特定都市河川に指定している。 図表II-6-1-5 「特定都市河川浸水被害対策法」の概要 2)雨水貯留浸透施設整備の推進  流域における雨水の流出抑制対策が必要とされる都市部において、降雨をできるだけ貯留又は地下に浸透させることにより、集中豪雨時における都市水害等の軽減を図るため、各戸貯留浸透施設等の整備を推進している。 図表II-6-1-6 各戸貯留浸透施設のイメージ 3)下水道整備による都市の浸水対策の推進  近年、計画規模を上回る集中豪雨等により、都市において深刻な内水氾濫被害が発生している。このため、平成18年度に「下水道総合浸水対策緊急事業」を創設し、地区と期限を設定した上で重点的な施設整備を行うとともに、ソフト対策と自助を組み合わせることにより、総合的かつ効率的な浸水対策を行い、被害の最小化を目指している。 4)大都市の壊滅的被害の防止  流域に人口・資産等が高密度に集積している荒川(東京都)、淀川(大阪府)等の大河川では、計画規模を上回る洪水による壊滅的被害から大都市圏を防御する高規格堤防(スーパー堤防)をまちづくりと一体的に整備し、河川空間を生かした水と緑の潤いのある水辺都市の再生を図っている。