おわりに (不安がなく、安全・安心と潤いを実感できる暮らしの実現に向けて)  以上のように、第1章では、厳しい経済社会情勢も含め取り巻く環境の激変の中で、日々の暮らしの3つの局面において、人はどのような不安や不満を感じ、どのようなニーズを持っているのかを見て、第2章では、それに対応する国土交通行政の主要な取組みを述べた。  また、現在、我が国の経済・雇用は大変厳しい状況下におかれている。このような時期だからこそ、公共投資の生み出す直接的な雇用創出効果も活用しつつ、明日の国民のため「未来への投資」を行うことが求められている。国土交通省としては、ハード・ソフト両面の施策を総動員して、目に見えないところも含めて、日々の生活の不安を取り除き、人が心から安全・安心と潤いを実感できる暮らしを実現し、さらに国全体が次の時代に向けて活力を取り戻せるよう、諸課題に対してきめ細かく強力にチャレンジしていきたい。  その際、行政による施策の実現には当然コストがかかり、最終的には国民の負担になることを常に意識し、必要性、有効性、効率性をチェックするとともに、絶えず改善していく。  全ての課題について、少しでもよりよい対応を目指して、また、不十分なところがあればそれを正面から踏まえて、施策における取組みのありようを常に追求していく。施策効果が短期間に全ての人に及ぶとは限らないが、腰を据えてじっくり対応していく。このようにして、一歩ずつでも、よりよい暮らしの実現に向けて、多様な任務を通じ、他の政府機関、地方公共団体、民間との連携のもと環境整備を行いながら、取り組んで参りたい。