3 地理空間情報を高度に活用する社会の実現  ICT基盤の急速な整備に伴う、地理情報システム(GIS)の普及を受け、地理空間情報(注1)を高度に活用した経済社会の実現を目指して、平成20年4月には、「地理空間情報活用推進基本法」に基づく「地理空間情報活用推進基本計画」が閣議決定された。国土交通省では、基盤地図情報(注2)を含む地理空間情報の整備及び提供、地理情報標準の普及に加え、コンピュータ上に構築する仮想的な国土である「電子国土」の構築を推進している。 (1)地理空間情報の活用の推進  「地理空間情報活用推進基本計画」を受けて、主題図(土地条件図等)、地形図、地名情報、空中写真、基準点及び「国土数値情報」等の地理空間情報の整備を進めるとともに、インターネット等による提供・供覧を実施している。加えて、GPS連続観測システムによるGPS観測データも提供している。  また、国土変遷アーカイブ事業として、国土地理院が保有する旧版地図等のデジタル化・アーカイブ(保存記録)化を行っている。  さらに、ISO19100シリーズ(注3)の国内標準化手続を順次進めているほか、各府省が保有する地理空間情報について一括検索ができる「地理情報クリアリングハウス」の充実やインターネット上で地理空間情報を統合・共有できる「電子国土Webシステム」の構築・普及を図るなど地理空間情報の活用を総合的に推進している。 (2)基盤地図情報の整備・提供の推進  国・地方公共団体等が作成した大縮尺地図データを集約し、一定の品質を確保した基盤地図情報の整備を進め、電子地図上の位置の基準としてインターネットによる提供を行っている。 (注1)空間上の特定の地点又は区域の位置を示す情報(当該情報に係る時点に関する情報を含む。)及びこの情報に関連づけられた情報 (注2)地理空間情報のうち、電子地図上における地理空間情報の位置を定めるための基準となる測量の基準点、海岸線、公共施設の境界線、行政区画その他の国土交通省令で定めたものの位置情報(国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)であって電磁的方式により記録されたものをいう。 (注3)ISOの地理情報に関する専門委員会(TC211)で決定した地理情報に関する技術要件の国際規格。この規格に準拠したデータを作成することで、異なるGISシステムにおいても様々なデータが相互に利活用できるようになる。