3 人と人、人と社会のつながり (望むつながり)  生活の基礎単位であり互いに支えあってきた“家族”の構造が変化していることはみたが、それを補うような社会における人と人のつながりが求められる。  図表55は、これから高齢者になる中高年の世代について、希望するつきあいと実際のつきあいを尋ねたものである。外でちょっと立ち話をしたり、ものをやりとりするつきあいは、希望以上にできているのに対し、助け合ったり時間をともにしたりするつきあいは、現実が希望を下回る。身近なコミュニティにおいて困った時に助け合いたいと希望する一方で、現実にはギャップがあることがわかる。 図表55 希望するつきあいと実際のつきあい (つながりの新しい兆し)  人々の社会に対する意識に新しい兆しがみられる。  図表56は個人の生活と社会に関する意識についてみたものであるが、これからは国や社会のことにもっと目を向けるべきとの割合が高まっている様子がわかる。また図表57は、地域が元気になるための活動に参加したいかどうかであるが、若い世代も含めその意識は高いとともに、近年さらに高まる傾向にある。さらに図表58は、中心になって活動すべき者について尋ねているが、「住民一人ひとり」が最も多くなっている。社会に目を向け、主体的に地域をよくしていこうとする意識が高まっている。 図表56 社会志向と個人志向 図表57 地域が元気になるための活動への参加 図表58 地域が元気になるために中心となって活動すべき主体  このように、個人の意識や生活をみると、特に若い世代で意識が保守的になるとともに、消費活動が消極的になっている様子がうかがえた。一方で、高齢者はその存在感を高めている。  他方で、家族の構造が変化し人と人とのつながりが重要性を増すなかで、若い世代も含め世代に関係なく社会への参加意識は強まるなど、社会とつながりたいという意欲も高まっている。