3 自動車・船舶のリサイクル (1)自動車のリサイクル制度の構築  「使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)」に従って使用済自動車が解体されたことを確認した上で「道路運送車両法」の抹消登録を行い、使用済自動車に係る自動車重量税還付制度も併せて実施しており、使用済自動車の適正処理促進及び不法投棄の防止を図っている。  また、本制度について、自動車リサイクル法附則第13条に基づき、産業構造審議会・中央環境審議会合同会議の場において議論が行われ、平成22年1月、本制度の施行状況の評価・検討に関する報告書が取りまとめられた。 (2)船舶のリサイクル  大型船舶のリサイクル(注)(シップリサイクル)は、バングラデシュやインド等の開発途上国を中心に実施されてきており、船舶リサイクル施設において繰り返される死傷事故や海洋汚染等が問題視されてきた。これらの問題を解決するため、我が国主導の下国際海事機関(IMO)を中心に議論がなされ、その結果、香港にて平成21年5月に、「2009年の船舶の安全かつ環境上適正な再生利用のための香港国際条約(仮称)」(シップリサイクル条約)が採択された。本条約においては、船舶と船舶リサイクル施設のそれぞれについて検査と証書の保持が義務付けられ、アスベストやPCB等の新規搭載の禁止等が求められている。また、本条約の施行を支援するための各種ガイドラインについても我が国の主導の下で作成中である。  国内においては、世界に先駆け、環境に配慮した先進国型のシップリサイクルシステムを構築するために、船舶解体の実証実験、環境影響・事業性評価、新技術手法の調査研究を実施するなどの取組みを行っている。  一方、個人の所有するプレジャーボートについては、そのほとんどがFRP(繊維強化プラスチック)製であり、適切な廃棄処理ルートが確立しておらず不法投棄が社会的問題となっていた。このため、FRP船の適正処理推進のため、リサイクル技術を確立し、処理ルートの構築に向けた取組みを行ってきた。これらを踏まえ、国土交通省の支援の下、(社)日本舟艇工業会が主体となり全国でのFRP船のリサイクルに取り組んでいる。 (注)寿命に達した船舶は、解体され、その大部分は鋼材として再活用される。