3 良好な宅地の供給及び活用
(1)地価の動向
平成23年地価公示によると、22年1年間の地価は、全国的に依然として下落基調が続いたが、下落率は縮小し、上昇・横ばい地点も増加した。特に三大都市圏は、東京圏・大阪圏・名古屋圏いずれも、下落率は前回の半分以下に縮小している。地方圏も、小幅ながら下落率が縮小している。
また、「主要都市の高度利用地地価動向報告」(地価LOOKレポート)によると、平成22年を通じて、上昇・横ばい地点の増加が見られ、特に住宅系地区でこの傾向が顕著となっている。
(2)宅地供給の現状と課題
新規宅地の大量供給を促進する従来の施策を転換し、人口・世帯の動向を踏まえた宅地施策を推進している。具体的には、(独)都市再生機構のニュータウン事業では既に着手済みの事業のみを行っている。また、宅地開発に関連して必要となる公共施設の整備を支援するほか、税制の特例や農住組合制度注等により、良好な居住環境を備えた宅地の供給を促進している。
(3)定期借地権の活用
借地契約の更新が無く、定められた契約期間で確定的に借地契約が終了する定期借地権は、良好な住宅取得を低廉な負担で実現する上で有効な制度であり、定期借地権付住宅は、平成21年は供給戸数が減少したものの、21年末までに70,000戸以上が供給されている。
なお、同制度の円滑な普及に向けた条件整備として、保証金、権利金に次ぐ第三の一時金方式である前払賃料方式の税務上の取扱いの明確化等を行っている。