コラム 首都圏空港(羽田・成田)の機能強化  首都圏空港は、我が国の産業・経済活動の基盤としての役割を担ってきたところですが、空港容量の恒常的不足、内際ハブ機能の欠如がアジア各都市等との都市間競争上の弱点となっています。我が国の成長のけん引車としての役割を今後とも十分に発揮していくには、平成22年5月の国土交通省成長戦略において示された容量拡大、抜本的な機能強化、オープンスカイの推進等の施策を着実に実行することで、交通利便性を一気に向上させ、ビジネス・観光両面における都市間競争力を強化し、我が国にヒト・モノ・カネを積極的に呼び込む原動力とする必要があります。  このような状況の中、羽田空港については、22年10月21日、4本目の滑走路であるD滑走路及び新国際線ターミナルの供用を開始し、発着容量が30.3万回から37.1万回へ増加しました。このうち、昼間3万回、深夜早朝3万回(合計6万回)を国際定期便に割り当て、10月31日から、昼間は羽田のアクセス利便性を活かしたアジア近距離路線、深夜早朝は欧米を含む世界の主要都市に新たな路線が就航し、「24時間国際拠点空港化」の第一歩を踏み出しました。今後は、25年度以降に予定されている国内線・国際線を含めた発着容量44.7万回への増枠及び新国際線ターミナルの拡充を機に、国際線の発着枠を昼間3万回から6万回に増枠し、深夜早朝の3万回を含め、9万回まで拡大する方針です。これにより、昼間においてもアジア長距離便や欧米を含む高需要・高ビジネス路線を展開し、充実した国内線ネットワークを活かして、内・際ハブ機能を強化していきます。  また、成田空港については、22年10月13日に国、千葉県、成田空港周辺市町、成田国際空港株式会社で構成される「成田空港に関する四者協議会」において、現在22万回の発着枠を30万回まで拡大することに関する合意がなされたところです。今後は、発着枠の増加にあわせて、更なる国際航空ネットワークの強化を実現しつつ、インバウンド観光の振興等の観点から、国内フィーダー路線の拡充を図り、羽田空港と同様、内・際ハブ機能を強化するとともに、LCC・ビジネスジェットへの対応強化等を図ります。これにより、旺盛な首都圏の国際航空需要に対応する国際線のメイン空港として、羽田空港との一体的運用を図りつつ、アジアのハブ空港としての地位を確立していきます。 首都圏空港(羽田・成田)の発着枠の増加