コラム XバンドMP(マルチパラメータ)レーダによる局地的な大雨の対策等について  近年、神戸市の都賀川や金沢市の浅野川等、局地的な大雨(いわゆるゲリラ豪雨)や集中豪雨による浸水被害が頻発しています。このため、国土交通省では、このような水害に対し、適切な水防活動や河川管理を行うため、平成22年3月末までに3大都市圏等(関東、富山・石川、中部、近畿)に11基のXバンドMPレーダを設置し、同年7月には、豪雨時の避難行動や防災活動等に役立てて頂くことを目的に、降雨観測情報(web画像)の一般への配信を開始しました。  〈http://www.river.go.jp/xbandradar/〉  また、栗駒山周辺、新潟、静岡、岡山、広島、九州北部及び桜島周辺の7地域においても、新たに計15基のXバンドMPレーダの整備を進めており、既存4地域と合わせて、23年度より試験運用を開始する予定です。 (1)XバンドMPレーダによる観測  XバンドMPレーダによる観測により、従来のCバンドレーダではとらえることの困難であった降雨についても、詳細かつリアルタイムでの観測が可能となります。  配信画像については、豪雨時の避難行動や地下街等の浸水しやすい地域等における防災活動に役立てて頂くため、それぞれの地域ごとに広域図と拡大図により現況の降雨状況が確認できるとともに、履歴画像(30分前から現況まで)により降雨域の移動状況が確認できるようにしています。 XバンドMPレーダとCバンドレーダの比較 (2)観測情報の河川管理等への活用  XバンドMPレーダから得られる詳細な降雨情報等を活用し、ゲリラ豪雨等による河川の水位上昇やはん濫等の危険度予測の高精度化の取組みを進めています。  また、XバンドMPレーダについては、実況降雨の詳細な観測のほか、3次元の雨や風の分布の把握が可能であり、気象庁や大学、民間企業等との連携を図ることにより、降雨予測技術の高度化や、洪水予測技術の高精度化等の技術開発を推進します。 はん濫危険度予測イメージ