(7)復興支援の手法 1) 災害対応制度の創設  今回の大震災に対応するための制度や事業を検討するにあたっては、将来起こりうる災害からの復興にも役に立つよう、全国で活用可能な恒久措置化を図るべきである。  これまで、昭和34年の伊勢湾台風を契機とする災害対策基本法、平成7年の阪神・淡路大震災を契機とする被災市街地復興特別措置法、平成11年の広島豪雨災害を契機とする土砂災害防止法など、様々な災害に対応するための法制度が創設されてきたが、わが国には津波災害に対応した一般的な制度はいまだ存在しない。  今回の大震災においては、津波により広範にわたって甚大な被害が発生しており、津波により壊滅的な被害を受けた地方公共団体や、今後大規模な津波の襲来が想定される地方公共団体において、津波災害に強い地域づくりを推進するにあたっての基本となる新たな一般的な制度を創設し、津波災害に強い地域づくりの考え方を国が示す必要がある。 2) 今回の特例措置  今回の大震災からの復興にあたっては、国は個別の事業の必要性と内容に即した確実な支援を行うことが求められている。そこでは、必要な人材・ノウハウの提供、財政措置、規制緩和、制度上の特例措置など、地域の多様なニーズに対応できる広範なメニューを準備しなければならない。さらに、被災地の復興状況に応じて、追加的な措置についても適切かつ迅速に対応するべきである。  とりわけ、土地利用計画手続きの一本化・迅速化にあたっては、「特区」手法注を用いることが有効である。 注 ここでいう「『特区』手法」とは、被災地の地方公共団体からの提案を受けて、区域・期間を限って、規制の特例措置やその他の特別措置を適用する手法をいう。