第1節 持続可能で活力ある国土・地域づくりをめぐる現状と課題 

第1節 持続可能で活力ある国土・地域づくりをめぐる現状と課題

1 人口減少と高齢化、人口移動

 日本の総人口は、2008年の1億2,808万人をピークに、減少に転じた。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、人口は2048年に9,913万人と1億人を割り込み、2060年には8,674万人(4,132万人減)まで減少するとされている。また、人口の高齢化率(65歳以上人口割合)についても、2010年の23.0%が2060年には39.9%へと上昇し、我が国は、これまで経験したことのない高齢社会を迎えることとなる。
 
図表90 我が国人口の推移

図表90 我が国人口の推移
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 また、日本の高齢化率は国際的に見ても突出して高い水準にある。欧米諸国と比較すると、我が国の高齢化率が最高水準であるのみならず、高齢化のスピードが著しく早いことがわかる。アジア諸国との比較においては、推計期間における高齢化率は韓国等が高い上昇を示しているものの、我が国の高齢化率が他国を上回っている。
 
図表91 高齢化率の国際比較

図表91 高齢化率の国際比較
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 平成17年から22年までの直近5年間の都道府県別人口増減率を見ると、人口が増加した都道府県は9都府県のみであった。それ以前の12年から17年までの5年間で人口が増加した15都府県から減少した。また、直近5年間で人口減少を示した道府県においては、それ以前の5年間での減少と比べて減少幅が拡大している。我が国全体の人口が減少している中で、人口の地域間格差が拡大する傾向にあるといえる。
 
図表92 都道府県別人口増減率

図表92 都道府県別人口増減率
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 また、7年から22年までにおける都市規模別の平均人口増減率を見ると、人口10万人以上30万人未満の市町村の平均では、人口がほぼとどまっているが、人口が10万人を下回る市町村の平均は人口減少を示しており、5万人未満の都市となると直近5年(17年〜22年)で約5%減と減少幅が拡大傾向にある。さらに、2005年から2050年までの長期予測を行ってみると、人口規模が小さくなるにつれて人口減少率が高くなっており、人口が5万人未満の市区町村においては、2005年比で4割以上人口が減少すると予測される。
 
図表93 都市規模別の平均人口増減率の推移(平成7〜22年の実績)

図表93 都市規模別の平均人口増減率の推移(平成7〜22年の実績)
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図表94 市区町村人口規模別の平均人口減少率(2005年→2050年の推計)

図表94 市区町村人口規模別の平均人口減少率(2005年→2050年の推計)
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 17年と22年の高齢化率の変化を都道府県別に見ると、大都市圏に比べ、地方圏での高齢化率が上昇している傾向にある。なお、22年の高齢化率の高い県は秋田県29.6%、島根県29.1%、高知県28.8%の順である。一方、三大都市圏の中心都府県は東京都20.4%、大阪府22.4%、愛知県20.3%である。
 
図表95 都道府県別高齢化率(65歳以上の人口の割合)

図表95 都道府県別高齢化率(65歳以上の人口の割合)

 しかしながら、高齢人口そのものの増加率は、地方圏より大都市圏のほうが大きくなっている。22年の高齢人口と2年の高齢人口を比較すると、地方圏では1.7倍に増加しているのに対し、首都圏では2.3倍に増加している。直近の5年間(17年から22年までの5年間)について見ても、地方圏で約92万人の増加に対し、首都圏において約146万人が増加している。高齢社会への対応は、地方部の問題というだけでなく、大都市においても大きな課題であるといえる。
 
図表96 高齢人口・高齢化率の推移

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