第1節 交通ネットワークの整備 

第5章 競争力のある経済社会の構築

第1節 交通ネットワークの整備

1 幹線道路の整備

 幹線道路の整備は、昭和29年に策定された第1次道路整備五箇年計画以来、現在に至るまで着実に進められてきた。例えば、高速道路等の幹線道路ネットワークの整備は、高速道路のインターチェンジ周辺での工場の立地を促すなど、地域経済の活性化に大きく寄与するとともに、地方部における広域的な医療サービスの享受、災害等で幹線道路が途絶した場合の広域的な迂回ルートの確保等が可能となるなど、国民生活の質や安全の向上にも大きく貢献してきた。
 
図表II-5-1-1 高規格幹線道路の整備状況

図表II-5-1-1 高規格幹線道路の整備状況

 一方で、都市間移動の速達性を表す都市間連絡速度を見ると、高速道路が未整備の地域では遅い傾向にあり、諸外国と比較すると、我が国の都市間の速達性は全体的に低い水準にある。中国は、我が国より26年遅れの昭和63年(1988年)に初めて高速道路が開通したが、既に65,055kmが開通し、我が国の46倍のペースで整備が進められている。
 平成23年12月に取りまとめられた高速道路のあり方検討有識者委員会の「今後の高速道路のあり方 中間とりまとめ」においては、大都市・ブロック中心都市におけるネットワークの緊急強化や国土を保全するネットワーク機能の早期確保が最優先課題とされた。
 高速道路ネットワークが繋がっておらず、観光振興や医療等の地域サービスへのアクセスもままならない地域や災害に脆弱な地域等において、走行性の高い国道も活用した国土のミッシングリンクの早期解消に取り組むとともに、定時性等ネットワークの質を高めるため、大都市周辺におけるボトルネック箇所への集中的対策や通過交通の排除による都市中心部の慢性的な渋滞を解消に資する首都圏3環状等の大都市圏環状道路の整備を推進している。
 
図表II-5-1-2 都市間連絡速度

図表II-5-1-2 都市間連絡速度
 
図表II-5-1-3 諸外国の高速道路整備延長の変化

図表II-5-1-3 諸外国の高速道路整備延長の変化
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