第2節 循環型社会の形成促進 

コラム 下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

 創エネルギー・省エネルギー対策や地球温暖化対策の推進は、我が国における喫緊の重要な課題であり、その解決に向けて、低炭素化社会・循環型社会の構築を進めることが求められています。しかしながら、下水道分野では、そういった創エネ・省エネ対策や地球温暖化対策に貢献する新技術の導入について慎重な姿勢がとられる傾向が見られます。
 そこで、低炭素化社会・循環型社会の構築や、広域的な水質保全、あるいは下水道施設のコスト縮減等を実現する「革新的な技術」を国が主体となって実証することで、多くの地方公共団体における新技術の採用・導入を推進するため、本事業が創設されました。(新技術の採用が促進されることにより、民間企業等における新たな技術開発が誘発されるという副次的な効果も考えられます。)
 具体的には、下水処理の高効率化や、バイオマスである下水汚泥のエネルギー利用の高効率化により、省エネ・創エネ効果やコスト縮減等を実現する革新的な技術を対象として、国が主体となって実規模レベルの実証施設による技術的な検証を行い、ガイドラインとして取りまとめます。このガイドライン化により全国の下水処理場へ新技術の普及導入を促進するとともに、水ビジネスの海外展開を視野に入れて実証成果を国際的な基準づくりに反映させ、さらに、実証施設は海外からの視察団に対するトップセールスにも活用することを考えています。
 平成23年度は、固液分離技術、バイオガス回収・精製技術、バイオガス発電技術等について高効率化・低コスト化の実証研究を行い、導入普及のためのガイドライン化に向けて、その成果を取りまとめました。
 今後、このような革新的な技術の導入普及により、下水道資源・エネルギーの有効利活用が進むことで、低炭素化社会・循環型社会の構築への一層の貢献が下水道に期待されます。
 


 

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