4 多様な主体の連携の必要性の高まり (東北圏をはじめとする広域地方計画の見直し・総点検)  東北圏の将来像や広域的なプロジェクトを定めた東北圏広域地方計画について、広域的な機能分担を踏まえた地域間連携の促進や協力体制の構築、多様な交通モード間の相互補完と広域交通ネットワークの代替性や多重性の確立等、震災からの復旧・復興に関する取組みを通じて得られた多くの貴重な教訓や課題を今後の防災対策や地域づくりに活かし、持続可能で災害に強い新たな地域ビジョンを提示すべく、計画の見直しを実施する。  また、他の圏域の広域地方計画についても、災害に強い国土・地域づくり等の観点から総点検を実施している。 (「新しい公共」の活躍支援)  今回の大震災からの復旧・復興に当たっては、NPO等の様々な団体や産学官の連携等多様な主体の連携が生まれているところである。その中で、被災自治体が職員不足等により被災者の生活に密着した細かいニーズ等に対応できない状態がある一方で、他地域から来た支援組織(NPO等)のみでは、地元住民や地元市町村との意思疎通が円滑でない場合がある。そのため、地域のまとめ役を果たしているような人材を「地域コーディネーター」として活用し、このコーディネーターの活動に対して専門的な知識や情報を提供することによりNPO等の組織を支援する仕組みが必要となっている。自治体と各NPO等の間に入り、行政サービスを補完するという意味で、このような支援組織を「中間支援組織」として支援することとした。例えば、震災の影響で学童保育や介護・福祉サービスが行き届かない地域で、対応する分野の団体(地元企業、地縁組織、NPO等)が行う支援活動をマッチングさせるなどの支援を行う。平成24年1月、まちづくり、避難者支援、生活支援等のテーマに係る11団体を選定し、これら団体の活動を支援している。 図表74 中間支援組織の概要 図表75 選定された中間支援組織一覧 (官民連携の推進)  今回の大震災からの復興に当たっては、公的主体が全力で取り組むことはもとより、復興の担い手、資金等の観点から、民間の知恵・人材・資金等を積極的に活用し、民間の力が最大限に発揮されるようにする必要がある。  震災復興に係る案件形成を促進するために、平成23年5月〜6月に、具体的な案件を募集し、11件のPPP/PFI事業の調査案件を選定した。被災地のニーズを基に、官民連携手法の課題整理等導入可能性の調査を実施している。 図表76 官民連携事業による震災復興に関する検討業務  また、今回の大震災後において、大手企業による出資や民間企業の連携等様々な形態でのPPPが組成され、被災地支援のための個別プロジェクトや地域防災力の向上のための取組み等が推進されている。  こうした被災地に見られるような多様な主体の連携による地域づくりについては、全国の各地域づくりにおいても、それぞれの地域の抱える課題解決や地域の自立を図る上で、有効な取組み手法の1つであることから、今後、こうした担い手組織の育成・支援が一層求められるものである。