コラム 被災地等における下水道再生可能エネルギー利用プロジェクト  東日本大震災で被災した下水道施設の復旧・復興を核として、革新的エネルギー利用事業と復興まちづくりをパッケージで推進するための検討を進めている。 (宮城県仙台市の事例:国内初となる下水管路内からの熱回収プロジェクト)  ドイツ等で実績のある下水管路内に熱交換器を設置し、下水の持つ熱エネルギーを回収する技術を用いて、下水熱を市内の商業施設の給湯熱源等として利用するプロジェクトの検討を進めている。下水管路内への熱交換器の設置は管路の更生工事とパッケージとして実施されるため、今後下水管路の改築ニーズが本格化する中、下水熱による低炭素まちづくりへの貢献機会の拡大が期待される。  平成23年度は、その事業効果を検証し、通常のガス給湯との比較で、ランニングコスト面での有利性の発揮により7年程度で投資回収可能であり、CO2排出量も約30%削減できるとの試算結果を得た。  24年度は、下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)により、大阪市海老江下水処理場に隣接する下水道科学館における実証プロジェクトを実施し、より低コスト・省エネルギー型(例えば、CO2削減率約40%(ガス給湯との比較))の技術の開発を目指すこととしている。今後、更なる技術開発、運営ノウハウの蓄積に努め、事業規模の大きい箇所での実施につなげる方針である。 仙台市の商業施設における事業イメージ (宮城県気仙沼市の事例:水産バイオマスも活用した地産地消エネルギー供給プロジェクト)  被災した下水処理場の復旧・復興に際し、水産処理場から発生する汚泥のみならず、近隣の水産関連施設からの水産バイオガス回収技術の活用や官民が連携した事業形態のあり方等について検討しているところである。 気仙沼市水産関連施設の復旧と合わせた下水処理場復旧・復興のイメージ