参考資料2 ニュージーランドにおける震災からの復興  ニュージーランドのクライストチャーチ市では、東日本大震災より1箇月前の平成23年2月、マグニチュード6.3の地震が発生し、市名からもわかるように市のシンボルとなっていた歴史的建造物の教会をはじめ建物が倒壊するなど、主に市内中心部が被災し、185人(24年2月9日現在)が亡くなった。同年8月までに7,000回を超える余震も発生し、インフラの断絶、液状化等の被害が生じた。このため、同市はビジネス立地に関する規制を緩和し、中心ビジネス地区に立地していた5,000社の60%以上が郊外に移転した。  中心市街地の教育機関も多く被災したため、公立・私立の高等教育機関が合同で複合キャンパスを中心街に建設し、郊外の学生寮を含む大学キャンパスとの間にLRTを設置することを同市は提案している。 図表86 クライストチャーチ市と周辺の新しいビジネス・ハブ  震災後、政府は、その地域の被害程度、復興の費用対効果及び社会的影響を考慮し、被災地を4つのゾーンに区分して復興を進めている。 ・レッド・ゾーン:被災程度が著しく、短・中期的な復興が困難で、余震等二次災害のおそれのあるエリア。レッド・ゾーンの持家所有者に対して、防災移転の促進のため被災住宅の購入と移転先地の斡旋等の支援を行っている。 ・グリーン・ゾーン:被災程度が低く、新しい建築基準に従った復興を推進するエリア ・オレンジ・ゾーン:復興に向けた計画のための調査・分析が必要なエリア ・ホワイト・ゾーン:復興に向けた計画の白地エリア(居住建築物がないエリア等) 図表87 ゾーンマップ