コラム 海外の環境都市〜ストックホルム市ハンマルビー・ショースタッド〜  スウェーデンの首都ストックホルムのハンマルビー・ショースタッドは、ストックホルム市中心部の南に位置する居住地区(約200ha、人口約26,000人規模予定)である。ここでは、1990年代初頭から環境に配慮した大規模な都市開発プロジェクトが進められており、同程度の都市と比較してその環境負荷を半減する先進的環境都市を目指している。 ハンマルビー地区の目標  この地区では、下水・廃棄物からのエネルギーで必要エネルギー量の半分をまかなうこととするため、廃棄物や下水をエネルギーとして活用し、住宅施設の冷暖房や、市営バス、タクシー、ごみ回収車、ガスストーブ等の燃料として地域内で循環させるシステムを構築している。  多くの建物の屋根への太陽光パネルの設置も進んでおり、太陽熱を温水供給のために使用しているほか、四重窓等により住宅・建築物の断熱化を施したり、空気を水に溶かす技術により節水を促進するといった取組みも見られる。  また、環境に優しい交通を推進しており、中心部にLRTを導入しているほか、ストックホルム中心街にアクセスするバスルートも整備され、地区に接する湖では、バイオガスで動くフェリーが早朝から深夜まで年間を通して運航している。電気自動車についても充電所の設置等により利用を促進しており、また、カーシェアリングの導入も進んでいる。  これらの環境にやさしいまちづくりへの取組みは「ハンマルビー・モデル」とよばれ、世界から注目されている。 ハンマルビー・モデル