コラム 離島の生命線としての公共交通  我が国にある有人離島のうち、平成24年4月1日現在、離島振興法の対象となっている254の有人離島には総人口の0.3%にあたる約39万人が生活しているが、離島人口は過去10年で約8%減少している。  離島に暮らす人々の生活を全国平均と比べると、収入や消費支出はそれぞれ8割、9割程度となっているが、消費支出のうち、食費や教養娯楽費等は全国平均に比べて低いものの、交通費は2〜5割程度高くなっている。 離島の生活(全国との比較)  医療施設や商業施設等、島内でのサービスが十分でないことから、本土とのつながりである離島航路・離島航空路は離島の生命線となっているが、離島航路の利用者数は、離島人口の減少等の要因により、14年と18年を比較すると約11%減となっている。利用者数の減少や燃油の高騰等、離島航路を取り巻く経営環境は厳しく、減便(23航路[離島航路の約12%])、値上げ(66航路[離島航路の約34%])や廃止(7航路[離島航路の約4%])という選択を余儀なくされた航路も多くなっている。 離島航路の状況(平成22年)  離島航路・離島航空路の減便や値上げ等は、島民生活のみならず、観光客の利便性や島内産品の本土への出荷等、島内産業にも影響を与えるものであり、離島航路・離島航空路の安全かつ安定的な輸送の確保はもちろんのこと、サービスレベルの維持・向上は、離島振興の中でも重要な課題となっている。  このような課題に対処するため、23年度においては、「地域公共交通確保維持改善事業」により、引き続き離島航路等の維持・改善の取組み等を支援している。また、離島航空路については、23年度税制改正において、航空機燃料税の引き下げ、小型航空機の固定資産税の軽減を行ったところである。