第II部 国土交通行政の動向 第1章 時代の要請にこたえた国土交通行政の展開 第1節 国土交通行政の基軸の構築 1 社会資本整備のマスタープランの策定に向けた取組み  社会資本整備重点計画は、国土形成計画等の中長期的なビジョンを見据えつつ、その実現に向けた今後5年間の社会資本整備事業の方向性を定めるものである。  治水、高速道路、港湾、空港等、個別の分野ごとに進められていた今後の整備等のあり方の見直しの集大成として、平成22年7月、社会資本整備重点計画の見直しに着手した。  社会資本整備重点計画の見直しについては、社会資本整備審議会・交通政策審議会計画部会において審議が進められてきたが、23年3月に発生した東日本大震災を受け、同部会から、防波堤・防潮堤による「一線防御」からハード・ソフト施策の総動員による「多重防御」への転換を柱とする「津波防災まちづくりの考え方」と題する緊急提言が提出された。  また、同年11月には、同提言の中で示された「人の命が第一」、「災害に上限はない」という東日本大震災からの教訓に基づいた「震災を踏まえた社会資本整備のあるべき姿」や、厳しい財政状況を踏まえた「選択と集中」の基準を主な内容とする中間とりまとめが行われた。現在、中間とりまとめで示された内容を踏まえた新たな計画の具体化作業を進めているところである。