第3節 豊かで美しい自然環境を保全・再生する国土づくり

4 港湾行政のグリーン化

(1)今後の港湾環境政策の基本的な方向

 我が国の港湾が今後とも物流・産業・生活の場としての役割を担い、持続可能な発展を遂げていくためには、過去に劣化・喪失した自然環境を少しでも取り戻し、港湾のあらゆる機能について環境配慮を取り込むことが重要である。そのため、港湾の開発・利用と環境の保全・再生・創出を車の両輪としてとらえた「港湾行政のグリーン化」を図っている。

 
図表II-8-3-2 港湾行政のグリーン化
図表II-8-3-2 港湾行政のグリーン化

(2)良好な環境の積極的な保全・再生・創出

 港湾整備で発生する浚渫土砂等を有効に活用した干潟造成、覆砂、深堀跡の埋め戻し、生物共生型港湾構造物の普及等を実施し、事業着手後においては、順応的管理手法の導入により整備後の状況を継続監視するとともに、行政機関、研究所等の多様な主体が環境データを登録し、共有することができる海域環境データベースを構築し、環境データの収集・蓄積・解析・公表を図りつつ、沿岸域の豊かな自然環境の保全・再生・創出に積極的に取り組んでいる。
 また、自然環境の大切さを学ぶ機会の充実を図るため、保全・再生・創出した場を活用した「海辺の自然学校」を全国各地で実施している。

(3)放置艇対策の取組み

 放置艇については、船舶の航行や停泊、海洋性レクリエーション活動や漁業活動に影響を及ぼすとともに津波による二次被害も懸念されることから、小型船舶の係留保管能力の向上と放置等禁止区域の指定等の規制措置を両輪とする対策を実施している。
 なお、放置艇に係る課題は各水域で異なることから、地方整備局及び地方運輸局において、水域管理者と関係者の意見交換の場を設け、対策を検討している。


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