(2)将来に備える意識の高まり  将来の経済状況に対する不安は、将来に備えようとする意識を生み出し、その意識が行動としても現れている。「毎日の生活を充実させて楽しむ」よりも、「貯蓄や投資など将来に備える」ことに力を入れたいと考える者の割合は以前の若者世代よりも高くなっており、1世帯当たりの平均貯蓄率を見ても、全年齢平均の平均貯蓄率は1989年の16.6%から2012年の21.2%へと4.6ポイント上昇しているのに対し、40歳未満の世帯では同じ期間に17.0%から24.9%へと7.9ポイント上昇している(図表27、28)。 図表27 将来に対する意識 図表28 1世帯当たりの平均貯蓄率(貯蓄性向)  貯蓄と表裏の関係にある消費についても、将来に備えて支出を抑えようとする意識が見られる。「買い物でローンや借金はしたくない」と考える者の割合が8割を超える高い水準となっていることや、「商品を買う前にまずインターネットで情報収集をする」と答える者の割合が、他の年齢層よりも20代・30代で高くなっていること等から、身の丈以上のお金の使い方をせず、インターネット等で効率的に情報収集をしながらお金を使っている様子がうかがえる(図表29)。また、モノを他人と共有して使用することについて、「コストが高いものについては共有でも構わない」と考える者の割合は他の年齢層よりも高くなっており、自分専用でモノを所有すること自体にはあまりこだわらず、コストを下げながら利用しようとしていることが分かる(図表30)。 図表29 消費に関する価値観 図表30 シェアに関する考え方