第3節 社会インフラの維持管理をめぐる状況

コラム マンションの老朽化

 今日、我が国において、老朽化が深刻化しているのは社会インフラだけではありません。
 我が国では、戦後一貫して都市化が進み、1970年代以降は、都市部へ流入した人口の居住場所となるマンションが、大量に供給されました。今後は、これらのマンションの多くにおいて、築後長い年月が経過したことに伴い、大がかりな修繕や改修が必要になります。
 
図表1-3-32 全国のマンションストック戸数
図表1-3-32 全国のマンションストック戸数
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図表1-3-33 築後30、40、50年超のマンション数
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 経年後、適切な維持管理や修繕がなされていないマンションは、構造上の安全性の低下や居住環境の悪化だけでなく周辺の住環境や都市環境の悪化といった様々な問題を引き起こす可能性があります。
 しかし、所有者が単一の主体であることが多いオフィスビルや持ち家とは異なり、多くの所有者が一つの建物を区分所有するマンションについては、価値観や経済状態が異なる所有者が集まって暮らしており、大規模な修繕等の合意形成を図ることが難しい場合があるのです。
 加えて、ヒトとカネの不足といった問題もあります。築後長年を経過したマンションでは、居住者が高齢化し、そのために役員のなり手が不足しているという管理組合が増加しています。また、国土交通省の調査では、修繕積立金が不足することを不安に感じるマンション管理組合は約4分の1、管理費の滞納、組合の運営が難しいことを不安に感じるマンション管理組合は約15%に上っています。
 
図表1-3-34 マンション居住者の高齢化
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図表1-3-35 管理組合の役員就任を引き受けない理由(重複回答)
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図表1-3-36 マンション管理組合における懸念事項
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 国土交通省では、マンションストックの適切な維持管理や再生を推進するため、「マンション管理適正化・再生推進事業」を実施しています。また、老朽化マンションの再生が円滑に行われるよう、マンション敷地売却制度の創設等を内容とする「マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律」が2014年6月に成立したところです。(→国土交通省における取組みの詳細については、第II部第5章第1節を参照。)


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