◯6 魅力ある観光地域づくり (1)国際競争力の高い魅力ある観光地域の形成  特定のテーマをもって国内外に訴求する際立った魅力をもつ観光地域を創出するため、「観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律(観光圏整備法)」に基づき、滞在交流型観光に対応できる区域として「観光圏」の整備を促進しており、平成25年度は富良野・美瑛観光圏等6観光圏を認定した。  併せて、当該6観光圏に対し、「観光地域ブランド確立支援事業」により、地域のブランド戦略策定及びブランド戦略に基づく事業実施を支援した。  また、観光を軸とした地域づくりの取組みを国の所管の事業や施策により総合的に支援する「観光地域づくり実践プラン」について、25年度は八ヶ岳観光圏の認定を行い、観光圏整備の促進に係る社会資本整備等の支援を行った。さらに、各観光圏において観光と社会資本整備の関係者による連絡会議を開催し、26年3月までに19の観光圏(改正前の観光圏整備基本方針に基づく認定観光圏も含む。)において現地調査を実施した。 (2)観光地域づくり人材を育成する取組みの支援  地域の自主的・自立的な観光地域づくり人材育成の取組みを促進するため、地域の状況に応じた人材育成手法等の策定・試行を行い、その全国的な普及・展開を進めた。  また、将来の地域づくりの担い手を育成するため、観光教育に熱心な学校関係者と連携して、子ども達の「旅をする心」を育む観光立国教育の推進を図った。 (3)多様化する旅行者のニーズに応じた観光への取組みの促進  自然環境、農業、文化、地場産業等、地域の特性を活かし、多様化する旅行者のニーズに応じた旅行商品を提供する重要性が高まっている。このため、平成24年度に実施した顧客満足度の向上に資する旅行商品造成のための方策の検討に続き、25年度においては、各地域で造成された旅行商品を一般消費者や旅行会社等に普及・浸透させるための方策を検討し、実施事業者向けの手引き書を作成した。  加えて観光庁では、25年11月に文化庁と、26年1月に農林水産省と政策推進の連携協定を結び、これらの協定に基づき、地域の文化財や農山漁村が有する資源を活用し、地域ならではの魅力を来訪者のニーズに即して提供する取組みを促進するとともに、日本ブランドとしてこれらを対外的に情報発信するための連携施策を推進することとした。  また、スポーツツーリズムについては、25年5月にロシア・サンクトペテルブルクで開催された「スポーツアコード会議」で、日本のスポーツ、観光及び文化を紹介する取組みを支援した。7月には韓国・ソウルで「マラソン・ジャパン」を初開催し、日本の多種多様なマラソン大会を魅力的なスポーツツーリズム資源として海外で積極的に発信した。 (4)ユニバーサルツーリズムの促進  高齢者・障害者等の移動制約者を含む誰もが旅行を楽しむことができる環境を整備するため、地域の受入体制を強化するための取組みやユニバーサル旅行商品の供給促進に向けた検討を実施した。