コラム 北海道における水素社会の実現に向けて  我が国全体の課題であるエネルギー安定供給や地球温暖化問題の解決に貢献するため、北海道に豊富に賦存する再生可能エネルギーのポテンシャルを有効に活用できる二次エネルギーとして、交通やまちづくりに活用できる可能性がある水素への関心が高まっています。  このため、北海道における水素社会を実現するための取組みについて認識を共有することを目的に、北海道開発局等の主催で「公開シンポジウム『北海道における水素社会の実現に向けて』」が平成26年11月20日に札幌市において開催され、約300名の参加がありました。  シンポジウムでは、北海道大学の佐伯浩名誉教授などからの講演や産学官によるパネルディスカッションが行われました。  講演では、持続可能な社会の構築には温暖化対策が必須であること、道産の再生可能エネルギーと水素で化石燃料を代替できれば、化石燃料の購入で海外に支払う資金が域内循環することにより地域経済の発展が期待されることなどが取り上げられました。 シンポジウム開催状況  パネルディスカッションは、北海道大学大学院の近久武美教授をコーディネーター、水素に関わる企業であるイワタニガスネットワーク、東芝、トヨタ自動車などをパネラーとして行われ、北海道における再生可能エネルギー由来水素の事業化の可能性、新産業・雇用創出への期待、再生可能エネルギー由来水素の供給による持続可能な社会への貢献等が論じられました。  そして、これらの実現に向けては長い視点での継続的な取組みが必要であるとし、行政のかじ取りへの期待が述べられました。  これを受け、今後は産学官の意見交換や地域の取組みを支援するためにプラットフォームを開催するなど、北海道における水素を利用したまちづくり推進に向けた取組みを進めてまいります。