コラム 平成26年9月27日の御嶽山の噴火と気象庁の対応  御嶽山では平成26年9月27日11時52分頃に噴火が発生しました。この噴火で噴煙は東に流れ、高度は火口縁上約7,000mと推定されています。また、事後の関係機関の調査で、大きな噴石が火口列から1km程度の範囲に飛散し、火砕流は火口列から南西方向に約2.5km、北西方向に約1.5km流下したことがわかりました。御嶽山の噴火は、19年3月のごく小規模な噴火以来となります。  気象庁は、噴火の状況を踏まえ、同日12時36分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを1(平常)から3(入山規制)に引き上げました。その後、27年1月19日に火山活動が低下したとの火山噴火予知連絡会の見解を踏まえ、気象庁は同日、噴火に対する警戒が必要な範囲を火口からおおむね3kmの範囲に縮小しました。  噴火が発生したのは観光シーズンの昼時であり、山頂付近には数多くの登山者が訪れていました。総務省消防庁によると、この噴火による死者・行方不明者は合わせて63名(26年10月23日現在)であり、戦後の火山災害では最多となりました。  気象庁では、この噴火により多くの人命が失われたことを重く受け止め、火山噴火予知連絡会の下の「火山観測体制等に関する検討会」及び「火山情報の提供に関する検討会」において、水蒸気噴火の兆候や火山活動の推移を把握するための観測体制や、登山者や観光客にもわかりやすい情報の提供等について検討を進めました。同検討会では、26年11月に緊急提言を、27年3月に最終報告を取りまとめました。これを受け、気象庁では、全国の常時監視火山等を対象に火山観測施設を新設するなど、火山観測体制の強化やわかりやすい情報の提供に向けた取組みを進めています。 平成26年9月27日火砕流の状況 火山観測体制等に関する検討会の模様 平成26年9月28日の御嶽山(陸上自衛隊協力)