■2 水環境改善への取組み (1)水質浄化の推進  水環境の悪化が著しい全国の河川等における浄化導水、底泥浚渫等の水質浄化を行っており、水環境改善に積極的に取り組んでいる地元市町村等と河川管理者、下水道管理者等の関係者が一体となり、「第二期水環境改善緊急行動計画(清流ルネッサンスII)」を策定・実施している(32地区で計画策定)。 図表II-8-4-1 清流ルネッサンスII (2)水質調査と水質事故対応  良好な水環境を保全・回復する上で水質調査は重要であり、平成25年は一級河川109水系の1,074地点を調査した。  また、市民と協働で水質調査マップの作成や水生生物調査等を実施しており、河川をごみやにおい等の多様な視点で評価する新しい水質指標に基づき住民協働で一級河川を調査した結果、25年は約26%(79地点/308地点)が「泳ぎたいと思うきれいな川」と判定された。  一方、油類や化学物質の流出等による河川の水質事故は、25年に一級水系で1,233件発生した。水質汚濁防止に関しては、河川管理者と関係機関で構成される水質汚濁防止連絡協議会を109水系のすべてに設立しており、水質事故発生時の速やかな情報連絡や、オイルフェンス設置等の被害拡大防止に努めている。 一級河川(湖沼および海域を含む。)において、平成25年にBOD(生物化学的酸素要求量)又はCOD(化学的酸素要求量)値が環境基準を満足した調査地点の割合は90%であった。 河川の調査地点のうち、BOD75%値がサケやアユが生息できる良好な水質とされる3.0mg/L以下となった地点は約94%であった。 人の健康の保護に関する環境基準項目(ヒ素等27項目)については、環境基準を満足した調査地点の割合は約99%で、ほとんどの地点で満足している。 図表II-8-4-2 一級河川(湖沼及び海域を含む。)においてBOD(又はCOD)値が環境基準を満足した調査地点の割合 (3)閉鎖性海域の水環境の改善  東京湾、伊勢湾、大阪湾、瀬戸内海等の閉鎖性海域では、陸域から流入する汚濁負荷や、干潟・藻場の消失による海域の浄化能力の低下などにより、赤潮や青潮が発生し漁業被害等が生じている。このほか、漂流ごみ・油による環境悪化や船舶への航行障害等が生じている。  この状況を改善するため、1)汚泥浚渫、覆砂、深堀跡の埋め戻しによる底質改善、2)干潟・藻場の再生や生物共生型港湾構造物の普及による生物生息場の創出、3)海洋環境整備船による漂流ごみ・油の回収、4)下水道整備等による海域への流入汚濁負荷の削減、5)多様な主体が連携・協働して環境改善に取組む体制の整備等、美しい海を取り戻す取組みを推進している。 (4)水環境改善に向けた下水道整備の促進  流域別下水道整備総合計画の策定・見直しを適切に進め、閉鎖性水域における富栄養化の原因である窒素・リン等を除去する下水道の高度処理を推進する。また、施設更新の時期に達しない処理施設においては、部分的な施設・設備の改造等により早期の水質改善を目指す段階的な高度処理を併せて促進している。  合流式下水道については、平成35年度末までに雨天時に雨水吐から放流される未処理下水の量と頻度の抑制等により、対策の完了を図ることとしている。