コラム 世界の都市総合力ランキング
「世界の都市総合力ランキング」の2015年版が発表され、東京が4位になりました。これは、森記念財団都市戦略研究所が2008年から毎年発表しているランキングで、「地球規模で展開される都市間競争下において、より魅力的でクリエイティブな人々や企業を世界中からひきつける、いわば都市の“磁力”こそが「都市の総合力」」という観点から、世界の主要な40都市を経済や文化、環境などさまざまな面で評価しています。
首位はロンドン、2位はニューヨーク、3位のパリに次いで東京は8年連続4位になりました。アジア1位は堅持していますが、東京の強みと弱みは何なのでしょうか。
分野別で見ると東京の強みは経済で、世界トップの地位を維持しており、研究・開発が2位に選ばれています。文化・交流については2012年頃からの円安傾向や訪都外国人・留学生数の増加により順位を一つ上げて5位となりました。今後2020年の東京オリンピックに向け、更なる順位の上昇が期待されます。
東京の弱みは環境分野において、CO2排出削減やリサイクル、再生可能エネルギーに関する評価が相対的に低いこと、交通・アクセス分野、居住分野においては国際線直行便就航都市数や国際線旅客数の少なさ等海外と日本を結ぶインフラ施設の不足、住宅平均賃料や物価水準の高さが評価を下げています。
アジアの中で行きたい国No.1に四年連続選ばれている日本注、その中でも特に人気とされている東京の「都市の総合力」を上げていくためには、こうした強みや弱みも踏まえ、都市の魅力を磨いていくことも大切です。