第1節 国土政策の推進

第2章 時代の要請にこたえた国土交通行政の展開

第1節 国土政策の推進

 総合的な国土の形成に関する施策の指針として、国土形成計画(全国計画)(平成20年(2008年)閣議決定)及び全国8ブロックの広域地方計画(21年(2009年)大臣決定)、並びに第四次国土利用計画(全国計画)(20年(2008年)閣議決定)に基づき、総合的な国土政策を推進してきた。
 国土交通省では、急激な人口減少・少子化や巨大災害の切迫等、国土を取り巻く厳しい状況変化に対応するため、国民と危機感を共有し、中長期(おおむね2050年)を見据えた国土・地域づくりの理念を示す「国土のグランドデザイン2050」を、26年7月に発表した。これも踏まえ、27年8月に、今後おおむね10年間を計画期間とする国土形成計画(全国計画)及び国土利用計画(全国計画)の変更について閣議決定を行った。
 新たな国土形成計画(全国計画)では、地域の多様な個性に磨きをかけ、地域間のヒト、モノ、カネ、情報の活発な動き(対流)を生み出す「対流促進型国土」の形成を国土の基本構想とした。そして、対流を生み出すための国土構造、地域構造として、生活サービス機能をはじめとした各種機能を一定の地域にコンパクトに集約し、各地域をネットワークで結ぶ「コンパクト+ネットワーク」を提示した。「対流促進型国土」及びそのための「コンパクト+ネットワーク」の形成は、各地域の固有の自然、文化、産業等の独自の個性を活かした、これからの時代にふさわしい国土の均衡ある発展の実現につながるものである。また、同計画では、地方から東京圏への若年層を中心とする人口の流出超過が継続する一方、東京には依然として過密の問題が存在し、首都直下地震等大規模災害の切迫等の課題も踏まえ、東京一極集中の是正が位置づけられている。
 第五次国土利用計画(全国計画)では、国土の安全性を高め、持続可能で豊かな国土を形成する国土利用を目指している。
 両計画の進捗状況を管理するとともに、有効な推進方策を検討するため、28年2月に国土審議会に計画推進部会を設置し、対流促進型国土の形成に向けた検討に着手した。また、全国計画を踏まえて、同年3月には、各ブロックの広域地方計画を改定した。さらに、国土利用計画(都道府県計画)の変更に向けた検討が進められている。


テキスト形式のファイルはこちら

前の項目に戻る     次の項目に進む