第5節 危機管理・安全保障対策

■4 安全保障と国民の生命・財産の保護

(1)北朝鮮問題への対応
 北朝鮮による弾道ミサイルの発射や核実験実施等への対応として、「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法」に基づき、北朝鮮船籍船舶全船の入港禁止の措置を実施しており、平成27年4月には、国際情勢にかんがみ、措置の期間を29年4月13日まで延長した。また、28年1月に核実験が実施され、同年2月に「人工衛星」と称する弾道ミサイルが発射されたこと等を受け、同月19日に同法に基づく閣議決定を実施し、同日以後に北朝鮮の港に寄港したことが我が国の法令に基づく手続等によって確認された第三国籍船舶に対し、本邦の港への入港を禁止することとした。海上保安庁では、本措置の確実な実施を図るため、北朝鮮船籍船舶の入港に関する情報の確認等を実施している。また、国連安保理決議第1874号等による対北朝鮮輸出入禁止措置の実効性を確保するための「国際連合安全保障理事会決議第千八百七十四号等を踏まえ我が国が実施する貨物検査等に関する特別措置法」に基づき、関係行政機関と密接な連携を図りつつ、同法による措置の実効性の確保に努めている。
 なお、累次の北朝鮮関係事案の発生を踏まえ、情報の収集と連絡を含めた即応体制を強化して不測の事態に備えた対策等を徹底し、北朝鮮に対する監視・警戒体制を継続しているところであり、28年1月6日の核実験及び同年2月7日の「人工衛星」と称する弾道ミサイル発射事案においても、大臣指示により、情報収集や必要な情報提供を行うなど、国民の安全・安心の確保に努めた。

(2)国民保護計画による武力攻撃事態等への対応
 武力攻撃事態等における避難、救援、被害最小化の措置等について定めた「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」及び「国民の保護に関する基本指針」を受け、国土交通省、国土地理院、気象庁及び海上保安庁において「国民の保護に関する計画」を定めている。国土交通省では、地方公共団体等の要請に応じ、避難住民の運送等について運送事業者である指定公共機関との連絡調整等の支援等を実施することなど、海上保安庁では、警報及び避難措置の実施の伝達、避難住民の誘導等必要な措置を実施することなどを定めている。


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