第2節 地域活性化を支える施策の推進

■2 コンパクトシティの実現に向けた総合的取組み

 都市のコンパクト化と公共交通網の再構築をはじめとする周辺等の交通ネットワーク形成は、居住や都市機能の集積を図ることにより、住民の生活利便性の維持・向上、サービス産業の生産性の向上等による地域経済の活性化、行政サービスの効率化等による行政コストの削減などの具体的な行政目的を実現するための有効な政策手段であり、中長期的な視野をもって継続的に取り組む必要がある。
 コンパクトシティの実現に向けた市町村の取組みを促進するため、平成26年に「都市再生特別措置法」を改正し、経済的インセンティブによって居住と都市機能の立地誘導を進める「立地適正化計画制度」を創設した。28年度末時点において348都市が立地適正化計画の作成について具体的な取組みを行っており、そのうち、100都市が立地適正化計画を作成・公表済みとなった。
 また、こうした市町村の取組みが、医療・福祉、住宅、公共施設再編、国公有財産の最適利用等のまちづくりに関わる様々な関係施策との連携による総合的な取組みとして推進されるよう、関係府省庁で構成する「コンパクトシティ形成支援チーム」(事務局:国土交通省)を通じ、現場ニーズに即した支援施策の充実、モデル都市の形成・横展開、取組成果の「見える化」等に取り組んでいる。
 28年度においては、地方公共団体向けの説明会やブロック別相談会等を通じて把握した現場のニーズ等を踏まえ、必要な支援施策の充実を図るとともに、支援施策の全体を一覧できる支援施策集を改訂して、市町村に情報提供した。また、コンパクトシティ形成に資するプロジェクト単位の好事例をまとめた「先行的取組事例集」を公表するとともに、都市の規模やまちづくりの重点テーマに応じたモデル都市の形成に向けてコンサルティングを行った。さらに、コンパクトシティの効果を表す指標の一つとなりうる歩行量に関するガイドラインを作成・公表したほか、行政・民間事業者等による最適な施設立地等を促進するための人の属性ごとの行動データの把握に関する手引きを作成した。


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