■2 良好な宅地の供給及び活用 (1)地価の動向  平成29年地価公示(29年1月1日時点)の結果は、全国の平均変動率では、住宅地が9年ぶりに下落から横ばいに転じ、商業地や全用途では2年連続の上昇となった。三大都市圏の平均変動率で見ると、住宅地はほぼ前年並みの小幅な上昇となっており、商業地は名古屋圏を除き上昇基調を強めている。地方圏の平均変動率では全ての用途で下落幅が縮小しており、札幌市・仙台市・広島市・福岡市の4市平均で見ると、全ての用途で三大都市圏を上回る上昇を示している。 (2)宅地供給の現状と課題  人口・世帯の動向を踏まえた宅地施策を着実に推進している。具体的には、(独)都市再生機構のニュータウン事業では既に着手済みの事業のみを行っている。また、宅地開発に関連して必要となる公共施設の整備を支援するほか、税制の特例等により、良好な居住環境を備えた宅地の供給を促進している。 (3)定期借地権の活用  借地契約の更新が無く、定められた契約期間で確定的に借地契約が終了する定期借地権は、良好な住宅取得を低廉な負担で実現する上で有効な制度である。  同制度の円滑な普及に向け、「公的主体における定期借地権の活用実態調査」を行っている。 (4)ニュータウンの再生  高度成長期等において大都市圏の郊外部を中心に計画的に開発された大規模な住宅市街地(ニュータウン)は、急速な高齢化及び人口減少の進展を背景に地域の活力の低下等の課題を抱えており、老朽化した住宅・公共施設の更新や生活を支える機能の充実等を通じて、誰もが暮らしやすい街へと再生を進めていく必要がある。  また、ニュータウンの再生に資するよう、地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者等による主体的な取組みを推進するため、推進の手法や取組事例に関する情報提供を行っている。