第6節 海洋政策(海洋立国)の推進 ■1 海洋基本計画の着実な推進  四方を海に囲まれている我が国において、海洋の平和的かつ積極的な開発及び利用と海洋環境の保全との調和を図る新たな海洋立国を実現していくことを目指し、海洋に関する行政分野の多くを所管する国土交通省では「海洋基本法」に基づく「海洋基本計画」の下、関係機関と連携しつつ、海洋政策を推進している。  近年、我が国の海洋を取りまく状況が、安全保障上の情勢変化、海洋資源開発や海洋エネルギー開発への期待の増幅、海洋環境の保全に対する関心の高まり、人口減少・少子高齢化など大きく変化していることも踏まえ、平成30年5月に、総合海洋政策本部会合での了承及び閣議決定により、第3期海洋基本計画が策定された。第3期海洋基本計画では、「新たな海洋立国への挑戦」を政策の方向性として位置づけ、施策の基本的な方針として、(1)総合的な海洋の安全保障、(2)海洋の産業利用の促進、(3)海洋環境の維持・保全、(4)科学的知見の充実、(5)北極政策の推進、(6)国際連携・国際協力、(7)海洋人材の育成と国民の理解の増進が示されており、30年の「海の日」における安倍内閣総理大臣メッセージでも、第3期海洋基本計画に基づき、我が国海洋政策を推進していくと表明されたところである。  国土交通省においても、この新たな海洋基本計画に基づき、海洋再生可能エネルギーの利活用や海洋資源等の開発・利用、海洋開発人材の育成、エネルギー等の効率的な海上輸送、海洋産業の振興等に取り組んでいるほか、海洋状況把握(MDA)の能力強化を含む戦略的海上保安体制の構築、海洋由来の自然災害対策や沖ノ鳥島の保全・管理、低潮線の保全及び特定離島における活動拠点の整備等、各般の施策を推進している。 図表II-2-6-1 海洋政策(海洋立国)の推進