第II部 国土交通行政の動向 

5 安全保障と国民の生命・財産の保護

(1)国民保護計画による武力攻撃事態等への対応
 平成16年に施行された「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」は、武力攻撃事態等における避難、救援、被害最小化のための措置等について定めたものであり、17年3月に政府が策定した「国民の保護に関する基本指針」を受け、同年10月に、国土交通省、国土地理院、気象庁及び海上保安庁において「国民の保護に関する計画」を作成した。この計画では、武力攻撃事態等において、国土交通省では、地方公共団体等の要請に応じ、避難住民の運送等について運送事業者である指定公共機関との連絡調整等の支援等を実施することとしている。また、海上保安庁においては、捜索、救助・救急活動、指定公共機関等の運送力不足時における避難住民・緊急物資の運送等を実施することとしている。

(2)北朝鮮問題への対応
 平成18年7月の北朝鮮による弾道ミサイルの発射や同年10月の北朝鮮による核実験実施発表への対応として、「特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法」に基づき、北朝鮮船籍船舶全船の入港禁止の措置を実施している。本措置については、その後の国際情勢にかんがみ、期間を20年4月13日まで延長した。海上保安庁では、本措置の確実な実施を図るため、北朝鮮船籍船舶の入港に関する情報の確認等を実施している。さらに、北朝鮮からの輸入禁止に係る措置等が継続されていることから、関係機関との密接な連携の下、必要に応じ、入港した船舶に対し立入検査を実施するなど、適切に対処しており、19年3月には、経済産業大臣の承認を得ずに北朝鮮産のアサリを中国籍貨物船により不正に輸入した事案を摘発した。

 

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