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国土交通白書 2020

第1節 豊かな住生活の実現

■2 良好な宅地の供給及び活用

(1)地価の動向

 令和2年地価公示(2年1月1日時点)によると、全国の地価は、全用途平均・商業地は5年連続、住宅地は3年連続の上昇となった。特に、地方圏における札幌市・仙台市・広島市・福岡市の主要4市を除いた地域についても、全用途平均・商業地が28年ぶりに上昇し、住宅地は下落から横ばいとなるなど、雇用・所得環境の改善や低金利環境等が続く中、人材確保等を目的としたオフィス需要、国内外の観光客の増加による収益性の向上、交通インフラの整備や再開発の進展による利便性・繁華性の高まり等を背景に、地価の回復傾向が全国に広がっている。

(2)宅地供給の現状と課題

 人口・世帯の動向を踏まえた宅地施策を着実に推進している。具体的には、宅地開発に関連して必要となる公共施設の整備を支援すること等により、良好な居住環境を備えた宅地の供給を促進している。

(3)定期借地権の活用

 借地契約の更新が無く、定められた契約期間で確定的に借地契約が終了する定期借地権は、良好な住宅取得を低廉な負担で実現する上で有効な制度である。

 同制度の円滑な普及に向け、「公的主体における定期借地権の活用実態調査」を行っている。

(4)ニュータウンの再生

 高度成長期等において大都市圏の郊外部を中心に計画的に開発された大規模な住宅市街地(ニュータウン)は、急速な高齢化及び人口減少の進展を背景に地域の活力の低下等の課題を抱えており、老朽化した住宅・公共施設の更新や生活を支える機能の充実等を通じて、誰もが暮らしやすい街へと再生を進めていく必要がある。

 また、ニュータウンの再生に資するよう、地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者等による主体的な取組みを推進するため、地方公共団体、民間事業者等からなる「住宅団地再生」連絡会議を設立し、推進の手法や取組み事例に関する情報提供及び意見交換等を行っている。