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国土交通白書 2021

第5節 地域公共交通の確保と観光振興

第5節 地域公共交通の確保と観光振興

( 1 )地域公共交通の確保

 東日本大震災によって被害を受けた地域公共交通に対しては、地域公共交通確保維持改善事業を活用して被災地のバス交通、乗合タクシー等の確保・維持を支援するため、同事業の補助要件の緩和等の特例措置を講じている。具体的には、地域をまたがる幹線バス交通ネットワークの確保・維持や、仮設住宅と病院、商店、公的機関等との間の日常生活の移動確保を目的とする地域内のバス交通等の確保・維持について支援している。

( 2 )観光振興

 東日本大震災の影響により大きく落ち込んだ訪日外国人旅行者を回復させるため、令和2年に東北6県の外国人延べ宿泊者数を150万人泊とする目標を掲げ、観光庁・日本政府観光局では、東北に特化した海外主要市場向けデスティネーションキャンペーンとして、海外の著名人を活用した東北の魅力の情報発信、メディア・旅行会社招請や共同広告、オンライン旅行会社と連携した送客促進など集中的なプロモーションを平成28年から継続的に実施するなどしており、令和元年には、目標である150万人泊を上回ることができた。

 しかしながら、現下の新型コロナウイルス感染症が東北を含めた全国各地の観光地に及ぼす影響は、深刻なものである。このため、Go Toトラベル事業等によって、失われた旅行需要の回復を図るとともに、「安全で安心な新しい旅のスタイル」を普及・定着させているところである。

 また、令和3年に延期された復興五輪に向けて、インバウンドの効果を波及させることにより、観光を通じて被災地の復興を加速化させるため、東北6県による滞在コンテンツの充実・強化や受入環境整備などのインバウンドを呼び込むための取組みを、東北観光復興対策交付金により支援した。

 福島県については、国内観光も含めて復興を最大限に促進するため、同県が実施する国内プロモーションや教育旅行再生事業等の風評被害対策及び震災復興に資する観光関連事業に対して補助を行っている。