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国土交通白書 2021

令和3年版 国土交通白書 はじめに

令和3年版 国土交通白書 はじめに

 本年の国土交通白書の第Ⅰ部のテーマは、「危機を乗り越え豊かな未来へ」である。「危機」は2点あり、一つは「新型コロナウイルス感染症」、もう一つは「災害の激甚化・頻発化」である。

 2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界全体に感染拡大し、今もなお感染は収束していない。新型コロナウイルス感染症により、生命・身体への影響にとどまらず、緊急事態宣言や水際対策等に伴い人出が減少し、経済的にも大きな影響が生じている。このことから、新型コロナウイルス感染症は、現在我が国が直面する危機と言える。

 また、多くの人が実感している通り、近年、災害が激甚化・頻発化している。昨年7月にも、豪雨災害により九州地方を中心に大きな被害が生じた。このように、災害の激甚化・頻発化もまた、現在我が国が直面する危機である。

 これらの危機によって、我が国にどのような変化や課題が生じているのか、これらの危機に対してどのように対応し、乗り越えていけばいいのか、は誰もが気になる問題であろうと考える。

 このため、今回の白書においては、第1章第1節において、これらの危機の実態を整理し、第2章において、これらの危機により加速化した変化や顕在化した課題について分析し、第3章第1節において、危機を乗り越えるための具体的施策を示した。

 我が国はこれまでもたびたび危機に直面してきたが、危機による変化をとらえ、対策を講じることで社会を変革し、より良い社会と生活を実現してきた。このように、現在直面する危機についても、これを乗り越えるとともに、その先に「豊かな未来」の実現を図るべきである。

 このため、今回の白書においては、第3章第2節において、目指すべき「豊かな未来」の姿を示した。この「豊かな未来」は、第2章において分析した危機による変化や課題を踏まえ、第3章第1節に示した対策等を実行することにより、実現する未来である。

 また、第Ⅱ部では、国土交通行政の各分野の最新の動向を政策課題ごとに報告している。

 このように、今回の白書は、世の中の関心に応える、読み応えのある内容になったと考えている。

 さらに、今回の白書においては、関連する動画へのリンク(QRコード)の掲載、コラムの充実、「豊かな未来」のイラストの掲載など、読みやすさ、わかりやすさの向上や、関連情報を入手しやすくするための工夫を施している。

 是非、この白書を読んでいただき、国土交通行政への理解の向上や、国土交通行政についての情報収集などに役立てていただきたい。