
国土交通白書 2022
第3節 建設マネジメント(管理)技術の向上
BIM/CIM(Building/ Construction Information Modeling, Management)は、調査・計画・設計段階から施工、維持管理の建設生産・管理システムの各段階において、3次元モデルを連携・発展させ、あわせて事業全体に携わる関係者間で情報を共有することで、生産性向上とともに品質確保・向上を目的とするものである。平成24年度からBIM/CIM活用業務・工事の試行を始め、令和4年3月までに累計2,263件を実施し、活用を拡大している。5年度までに小規模なものを除く全ての公共工事においてBIM/CIM活用へ転換することを目指す。
令和3年度は、BIM/CIMモデルを活用して複数業務・工事の事業監理を効率的に行うための運用方法等をとりまとめるとともに、プロセス間の円滑なデータ受け渡しのための3次元モデル成果物の作成方法を明確化し、既存基準要領等の見直しを行った。また、BIM/CIMを扱うことのできる技術者を育成するための研修コンテンツを「BIM/CIMポータルサイト」に公開し、今後更なるBIM/CIMの活用拡大を図っていく。
官庁営繕事業においては、平成22年度~平成24年度にBIM導入の試行を行い、この結果等を踏まえ、26年3月に「官庁営繕事業におけるBIMモデルの作成及び利用に関するガイドライン」を作成した。令和4年3月には、発注者がBIM活用に求める要件に関する記載を拡充するなどの改定を行い、発注者指定によるBIMの試行を実施するなど、更なるBIM活用を図っている。
また、官民一体となってBIMの推進を図る「建築BIM推進会議」(事務局:国土交通省)を令和元年6月から開催し、BIMを活用した建築生産等の将来像と、その実現に係る工程表をとりまとめたほか、設計・施工・維持管理までのワークフロー等を整理したガイドラインを策定した。その後、モデル事業によりガイドラインの試行・検証を実施し、4年3月にガイドラインの改定を行った。