国土交通省ロゴ

国土交通白書 2023

第3章 地域活性化の推進

第1節 地方創生・地域活性化に向けた取組み

 少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくため、政府は、平成26年11月に成立した「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、地方創生の取組みを推進してきた。

 令和4年においては、仕事・交通・教育・医療をはじめとする地方が抱える課題をデジタル実装を通じて解決し、地域の個性を生かした地方活性化を図る、「デジタル田園都市国家構想」の具体化を進めるため、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を策定した。同構想を通じて、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会を目指し、施策を展開していくこととし、国土交通省においては、主に以下の取組みを行う。

・地域公共交通について、法制度や予算・税制措置などあらゆる政策ツールを総動員し、交通DX・GXの活用や、地域の関係者の連携・協働(共創)を通じ、利便性・持続可能性・生産性の高い地域公共交通ネットワークへの「リ・デザイン」(再構築)を進める。

・多様な暮らし方を支える人間中心のまちづくりを実現し、持続可能な都市を形成するため、コンパクトでゆとりとにぎわいのあるまちづくりを進めるとともに、地方都市と大都市の交流・連携や、3D都市モデルと建築・不動産分野との連携を図るなど、まちづくりのDXを推進する。

・観光分野のDXを推進し、観光消費の拡大、観光産業の生産性向上等を図り、稼ぐ地域を創出するとともに、事業者間・地域間のデータ連携により、旅行者の周遊エリアの拡大による滞在期間の長期化を図るなど、広域で収益の最大化を図る。

・「流域治水」の取組みをソフト面から推進するため、例えば、一級水系において、本川・支川が一体となった洪水予測の高度化を図り、早期の災害対応や避難を支援しつつ、浸水範囲と浸水頻度の関係を示した水害リスクマップを新たに整備して、防災まちづくり等での活用を促進する。

・コンテナ物流全体の生産性向上につながる港湾におけるDX、生産性向上に資する道路ネットワークの整備等、国土の状況把握・見える化などの国土利用・管理DXなどを推進する。

 以上の取組みを令和5年夏に策定予定の新たな国土形成計画にも位置付けて、デジタルとリアルが融合した地域生活圏の形成を進める。

 都市再生については、民間活力を中心とした都市の国際競争力の強化や地方都市と大都市の連携促進等を図るとともに、「居心地が良く歩きたくなる」まちなかの創出等による都市再生の推進に取り組んでいる。