
国土交通白書 2023
第2節 デジタル技術の活用によるイノベーションの推進
人口減少・少子高齢化の中で豊かで多様な暮らし方を支える「人間中心のまちづくり」を実現するため、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化、デジタル技術を用いた都市空間再編、エリアマネジメントの高度化、データを活用したオープンイノベーション創出等を進めるなど、まちづくり分野のDXを推進する。
(1)スマートシティの推進
先進的技術や、官民データをまちづくりに取り込み、地域の抱える課題解決、新たな価値の創出を図るスマートシティについて、国土交通省においては、「スマートシティモデルプロジェクト」として、令和元年度より全国の牽引役となる先駆的な取組みについて、都市サービスの導入に向けた実証実験への支援を行っている。
令和4年度は「スマートシティ実装化支援事業」として14地区を選定するなど実証事業の支援を行った。また、スマートシティモデル事業等推進有識者委員会を開催し、モデル事業等から得られた知見の整理等を行うとともに、先進事例の横展開等により、スマートシティを強力に推進していく。
(2)3D都市モデル(PLATEAU)
国土交通省ではこれまで、令和4年度に創設した地方公共団体に対する新たな補助制度である「都市空間情報デジタル基盤構築支援事業」の活用等により、全国約130都市で3D都市モデルを整備し、さらに100件程度の多様な分野における3D都市モデルのユースケース開発の実証に取り組んできた。加えて、4年度には、土木構造物や水部、地下構造物の標準データモデルを策定するとともに、オープンデータを活用した新たなビジネスやイノベーションの創出のため、データ利用環境の改善(SDK開発等)、チュートリアルの充実、ハッカソン・ピッチイベントの開催等を実施してきた。今後も、PLATEAUと建築・不動産に係るデジタル施策を一体的に進める「建築・都市のDX」をはじめ、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化の取組みを一層推進していく。