
国土交通白書 2024
第1節 ユニバーサル社会の実現
(1)高齢者が安心して暮らせる生活環境の整備
バリアフリー化された公営住宅等の供給とライフサポートアドバイザーによる日常の生活相談、緊急対応等のサービスを併せて提供するシルバーハウジング・プロジェクトを実施している。また、高齢者や子育て世帯等の多様な世帯が安心して健康に暮らすことができる住環境(スマートウェルネス住宅)を実現するため、スマートウェルネス住宅等推進事業等において、サービス付き高齢者向け住宅の整備、住宅セーフティネット制度に基づく住宅確保要配慮者専用賃貸住宅等への改修、先導的な高齢者等向けの住まいづくり・まちづくり及び高齢者や子育て世帯等の生活支援施設等を導入する再開発事業に関する取組み等を支援している。
(2)高齢社会に対応した輸送サービスの提供
市町村やNPO等による自家用車を使用した有償運送を可能とする自家用有償旅客運送が、令和4年度末現在3,126団体において実施されている。自家用有償旅客運送は、営利事業として行われているバス・タクシー事業者による輸送サービスの提供が困難であり、かつ、地域の旅客輸送の確保に必要な輸送であることについて地域の関係者間で協議が調っている場合に、実施できることとなっている。
また、地域の移動の足の確保のためには、既存の交通モードのほか、自家用有償旅客運送を含む多様な交通サービスを組み合わせて移動手段を確保していくことが重要であり、「ラストワンマイル・モビリティ/自動車交通DX・GXに関する検討会」における提言も踏まえ、自家用有償旅客運送の円滑な導入や持続可能性を向上していくために、「運送の対価」の目安の適正化等の方策を講じている。
また、互助活動等の一環で、ボランティア等により道路運送法の許可又は登録の対象外の運送が行われている。なお、国土交通省では、無償運送の判断の基準となるガイドラインを示している。