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国土交通白書 2024

第2節 循環型社会の形成促進

■5 木材利用の推進

 木材は、加工に要するエネルギーが他の素材と比較して少なく、多段階における長期的利用が地球温暖化防止、循環型社会の形成に資するなど環境にやさしい素材であることから、公共工事等において木材利用推進を図っている。

 令和3年10月1日に施行された「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(通称:都市(まち)の木造化推進法)により、法律の対象が公共建築物から建築物一般に拡大された。また、同法等に基づき、自ら整備する公共建築物において木造化、内装等の木質化、CLTの活用等に取り組むとともに、木材利用に関する技術基準、手引き等の作成及び関係省庁や地方公共団体等への普及に努めている。

 また、温室効果ガスの吸収源対策の強化を図る上でも、我が国の木材需要の約4割を占める建築物分野における取組みが求められている。このような中、建築物分野における木材利用の更なる促進に資する規制の合理化等も盛り込んだ「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」を令和4年6月17日に公布し、防火規制の合理化については、令和6年4月1日に施行したところであり、引き続き7年4月に予定する全面施行に向け準備を行っている。

 さらに、木造建築物の整備推進に向け、先導的な技術を導入する建築物や木造化の普及に資する建築物の整備に対する支援等に取り組んでいる。また、国産木材を多く活用する住宅で使用量を表示する仕組み(国産木材活用住宅ラベル)の運用を開始した。

図表Ⅱ-7-2-1 木材利用の事例

農林水産研修所つくば館水戸ほ場庁舎 研修本館(木造化)注5

図表Ⅱ-7-2-1 木材利用の事例
  1. 注5 農林水産省予算の委任を受け国土交通省が整備を実施