国土交通白書 2025
第8章 戦略的国際展開と国際貢献の強化
第1節 インフラシステム海外展開の促進
■1 政府全体の方向性
新興国を中心とした世界の膨大なインフラ需要を積極的に取り込むことにより、我が国の経済成長につなげていくため、政府は平成25年3月に国土交通大臣を含む関係閣僚を構成員とする「経協インフラ戦略会議」を設置し、政府一体となってのインフラ海外展開に取り組んできた。
その一方で、インフラシステムの海外展開を取り巻く環境が急速に変化するとともに、国際社会は、気候変動等の地球規模課題の深刻化、自由で開かれた国際秩序への挑戦と分断リスクの深刻化、世界各地での人道危機等といった複合的危機に直面しており、カントリーリスクをはじめとする投資環境や事業環境に関するリスクやサプライチェーン途絶といった経済安全保障上のリスクが増加している。我が国企業による持続的なインフラシステムの海外展開を推進するためにはこうした課題に対する一層の対応が求められている。
このような状況を踏まえ、令和6年12月には、政府全体のインフラシステム海外展開の方向性を示した「インフラシステム海外展開戦略2030」が策定され、今後の重点戦略を①相手国との共創を通じた我が国の「稼ぐ力」の向上と国際競争力強化、②経済安全保障等の新たな社会的要請への迅速な対応と国益の確保、
③GX・DX等の社会変革をチャンスとして取り込む機動的対応の3つの柱として整理し、政府全体で「質の高いインフラシステム」の海外展開に取り組んでいる。