国土交通白書 2025
第9章 DX 及び技術研究開発の推進
社会全体のデジタル化は喫緊の課題であり、政府として、デジタル行財政改革や地方創生2.0といった政策が進められているところ、国土交通省においても必要な取組を、より一層加速させる必要がある。このため、国土交通行政のDXを推進すべく、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(以下「重点計画」)(令和6年6月閣議決定)等に基づき、利用者中心の行政サービスの確立のため、行政手続のデジタル化を進めるとともに、オープンデータ化等の行政サービスや行政データ連携の推進に取り組んでいる。
(1)インフラ分野のDX
インフラ分野のDXは、デジタル技術を活用して、管理者側の働き方やユーザーに提供するサービス・手続等も含めて、インフラまわりをスマートに変容させるものである。例えば、3Dハザードマップを活用したリアルに認識できるリスク情報の提供、現場にいなくても現場管理が可能になるリモートでの立会いによる監督業務やデジタルデータを活用した配筋検査の省力化、及び自動施工・遠隔施工等に取り組んでいる。令和5年8月には「インフラ分野のDXアクションプラン(第2版)」を策定し、個別施策ごとの取組概要や目指す姿、8年度までの具体的な工程等といった実行計画を取りまとめた。
建設業は社会資本の整備の担い手であると同時に、社会の安全・安心の確保を担う、我が国の国土保全上必要不可欠な「地域の守り手」である。人口減少や高齢化が進む中にあっても、これらの役割を果たすため、建設業の賃金水準の向上や休日の拡大等による働き方改革とともに、生産性向上が必要不可欠である。国土交通省では、前述のインフラ分野のDXの取組に先駆けて、インフラ分野のDXを推進する上で中核となるi-Constructionを平成28年度より推進しており、ICTの活用等により調査・測量から設計、施工、検査、維持管理・更新までのあらゆる建設生産プロセスにおいて、抜本的な生産性向上に取り組んでいる。
令和6年4月には、i-Constructionの取組を加速し、建設現場における省人化対策に取り組むため、国土交通省の新たな建設現場の生産性向上(省人化)の取組を「i-Construction 2.0」として取りまとめた。i-Construction 2.0では、2040年度までに建設現場の省人化を少なくとも3割、すなわち生産性を1.5倍向上することを目指し、「施工のオートメーション化」、「データ連携のオートメーション化」、「施工管理のオートメーション化」を3本の柱として、建設現場で働く一人ひとりが生み出す価値を向上し、少ない人数で、安全に、快適な環境で働く生産性の高い建設現場の実現を目指して、建設現場のオートメーション化に取組を進めていく。
建設現場の生産性向上に関するベストプラクティスの横展開に向けて、平成29年度より「i-Construction大賞」を実施しているが、令和4年度には、この取組をさらに拡大するため「インフラDX大賞」と改称し、インフラの利用・サービスの向上や建設業界以外の取組についても含めて広く募集した。また、インフラ分野におけるスタートアップの取組を支援し、活動の促進、建設業界の活性化へつなげることを目的に、これまでの「国土交通大臣賞」「優秀賞」のほか、新たに「スタートアップ奨励賞」を設置した。令和6年度は計26団体(国土交通大臣賞3団体、優秀賞22団体、スタートアップ奨励賞1団体)を表彰しており、引き続きインフラDXの普及促進に取り組んでいく。
(2)行政手続等のDX
国土交通分野における行政手続のデジタル化や、国土交通省が保有する行政情報のデータ化を行い、官民が利用可能な基礎的な情報として提供するとともに、行政内での活用環境の整備を進め、オープンデータを利用したビジネス創出や政策立案等を促進する取組である「Project LINKS」の展開を進める。