国土交通白書 2025
第2節 デジタル技術の活用によるイノベーションの推進
■6 水管理・国土保全分野におけるDXの推進
水管理・国土保全分野においては、流域に関する様々なデジタルデータの自動取得、取得したデータの蓄積・共有、知りたいことが一目で分かるようなデータの分析・可視化、流域のあらゆる関係者の行動変容、といった一連の流れ「流域ビジネスインテリジェンス(BI)」により、インフラの整備や管理、防災対策の省人化・高度化が図られるよう、デジタル技術を活用した変革を進めている。
例えば、河川空間に通信スポット(Smart River Spot)を設置し、建設機械や除草機械の無人化・自動化、ドローンによる巡視・点検等の取組等を進め、インフラ施設の整備や管理の高度化・効率化を推進している。あわせて、物流分野の担い手不足等の状況の下、河川上空を活用したドローン物流の社会実装を実現するための取組も進めている。
また、センサや衛星による浸水範囲や土砂移動箇所の把握や統合災害情報システム(DiMAPS)の改良、AIを活用したダム操作支援、火山噴火時の緊急減災対策支援、洪水予測の高度化等により、発災時の迅速な災害対応や早期の避難等を支援している。上下水道分野では、施設の老朽化や管理に精通した熟練職員の減少等が進む中、デジタル技術を活用し、メンテナンスの効率を向上させる「上下水道DX」を推進しており、水道事業者や下水道管理者による、AIや人工衛星を用いた漏水検知、スマート水道メーターの活用、施設情報や維持管理情報のデジタル化等を支援している。
さらに、サイバー空間上に流域を再現し洪水予測技術等を実証できる実験場の整備(デジタルテストベッド)や、流域に関するデータを蓄積するプラットフォームの構築を進め、官民の技術開発の促進や様々な施策の検討・分析の高度化・効率化を図ることを目指している。