第2節 海洋性レクリエーションの振興 |
@ プレジャーボート保管機能の充実
「全国マリーナ等整備方針」に基づき、公共マリーナ、民間マリーナ、簡易な係留施設であるプレジャーボートスポットの整備及び(財)日本舟艇利用振興センターによる陸上保管基地の整備(ハロー・マイボート構想)を推進している。
A ウォーターフロント空間の魅力の増進
人工海浜や魚釣り桟橋などを整備するとともに、民間活力を活用して海事博物館、研修施設、フィッシャーマンズワーフ、プロムナード、係留船によるレジャー施設などを整備しているほか、休日に港域の一部を小型ヨット等に開放するボート天国の実施、横浜博覧会への「海のパビリオン」の出展等を行っている。
B 安全性の確保
安全教室の開催、訪船指導、海洋レジャー行事相談室による安全指導、海上安全指導員制度の充実、(財)沿岸レジャー安全センターによるスキューバダイビング等の安全管理者の養成、プレジャーボート修理体制の充実等の安全対策を推進している。
C インフォーメーション提供体制の強化
詳細な波浪予測図の作成や海の相談室の拡充・強化を図るとともに、400MHz帯無線電話の普及等事故時における関係者間の情報連絡ルートの確立等安全情報に係る連絡体制の整備等を推進している。
D クルーズ需要への対応
外航客船や国内遊覧専用船の建造に対する助成、民間活力の活用による旅客ターミナルの整備等を図っている。
このうち外航定期旅客航路においては、昭和63年は各航路とも旅客数の着実な伸びがみられ、韓国を中心とした近隣諸国との間に新規航路を開設する計画が数多く進められていることから今後とも日本人の定期航路利用者は着実に増加していくことが予想される。
一方、外航クルーズにおいては、外国籍クルーズ客船に乗船した日本人の数は、ここ2〜3年、15%程度の安定した伸びを示しているが、日本籍クルーズ客船に乗船した日本人の数の伸びはやや低調である。このことには、不定期旅客航路で運航している日本籍船舶の隻数に変化がなく、供給面に限界があったことも要因であったと考えられ、平成元年4月に「おせあにっく ぐれいす」(5,218総トン、120人乗り)、日本開発銀行の融資を受けて建造された「ふじ丸」(23,340総トン、600人乗り)が就航したのをはじめとして、邦船社が外航客船の建造計画を相次いで発表していることから、新造船による需要喚起効果が大いに期待されており、我が国にもようやく客船時代が到来し、今後旅客数の大幅な増加が期待される状況となりつつある。
外航客船の整備については、日本開発銀行からの融資等を行っているが、今後外航客船による旅行を促進するためには、日本人向けのクルーズの開発、体験乗船の実施、クルーズに関する広報、関連情報の提供等による利用者層を拡大するための環境整備等の方策を検討するとともに、従来十分な規制のなかった運航面における安全性の確保、及び約款の整備等利用者保護対策の充実について検討を進める必要がある。