第3章 その他の災害対策の推進 |
また、我が国は四方を海で固まれ、原油や液化ガスが大量に海上で輸送されていることから、大量の油等の流出や海上火災による海上災害の発生が常に懸念されている。
運輸省では、これら震災以外の災害についても国民の安全を守り、国土を保全するために取り組んできており、この章ではこうした取り組みについて述べることとする。
第1節 火山災害対策 |
このため気象庁では、全国83の活火山のうち、北方領土、海底、無人島にある火山を除く62の火山の観測を行っている。このうち伊豆大島、浅間山、雲仙岳、桜島等の活動的な19の火山について常時監視する体制をとっており〔1−3−1図〕、その他の43の火山についても、火山機動観測班が計画的に基礎調査を実施し、噴火等の異常時には、同観測班が出動して緊急観測・監視を行うこととしている。また、7年度には、阿蘇山及び草津白根山の火山観測施設の改良更新を図ることとしている。
火山観測に基づき発表される緊急若しくは臨時火山情報は、関係都道府県知事等に伝達され、災害を未然に防止するうえで大きな役割を担っている。なお、火山監視活動の強化を図るため、7年4月に気象庁本庁に火山課を設置するとともに、雲仙岳測候所〔1−3−2図〕の職員を増加するなど体制の強化を図ったところである。
その他、火山対策としては避難施設緊急整備地域の伊豆大島波浮港、長崎県島原港等において、住民の安全を確保するための避難岸壁等の整備を実施している。
また、海上保安庁では、航空機により明神礁、福徳岡ノ場等の南方諸島及び新硫黄島、西表島等の南西諸島海域の火山活動観測を行うとともに、航空磁気測量により、海底火山の地下構造の解明を図っている。